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第13話【我流対牙流】
(なんだ!?今、何をされた!?)
急に膝に力が入らなくなる。
要は相手を見た。
『下段の構え』は、崩れていない。
少しだけ脚を開き【体勢が低く】なっただけだ。
【下段の構えからのアゴ打ち】
をくらったようだ。
「要!!」
リングの外で景が叫ぶ。要はウリエルの繰り出した
【上段打ち込み】
を防御し【脳天】へのダメージを無くしたが、
「ウグッ!?」
全体重が乗った一撃に要の両腕が悲鳴をあげる。
『ギシッ!ギシシシ!!』
要の武器も悲鳴を上げ始める。このままでは折れる。
「くそったれが!!」
ここにきて要が感情を露わにした。
『ガキィィン!!』
要は攻撃を受け流し、立ち上がる。【膝が震え】、意識もうろうだ。
(一撃で決める!!)
『ガチリ!ジャララッ!!』
要の武器が形を変える。
「我流無式、【百足(むかで)】!!」
まるで、【一匹の大百足】がリングに現れたかのように、要の周りを鎖でつながった棒がリングを舞う。
「へぇ、それが本気なの?」
ウリエルは全く動じていない。
「牙流二之型、【蛇姫(だき)】!」
ウリエルの武器が長さの違う二本の棒に分かれる。
「さぁ!決着をつけようか!!」
リングの中央で二人が激突した。
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