【school】 シーズン1

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第14話【敗北】 「残念だったな」 「………」 「こんな日もあるさ」 「………」 「元気出せ!」 「………」 選手控え室に限と要はいた。 要は、【打ち砕かれた】『多節昆』を握りしめていた。 「出直して来い!!」 リングを降りるときに【ウリエル】が言った言葉だ。 要は自分の無力さを実感していた。 「…なぁ、限?」 要が重い口を開く。 「何だ?」 「俺に【足りないもの】って何だ?」 「……【経験】と【根性】だろうな」 「経験と根性?」 要は聞き返した。 「あぁ、お前は【無意識】にウリエルさんへの攻撃をそらした」 「どういうことだ?」 「簡単に言うと、【逃げた】んだよ。お前は」 「俺が逃げた!?」 「そうだ。お前は、【本気の相手】に気圧されたんだ!その時点でお前の負けだ!!」 「………」 要はただ歯をくいしばることしかできなかった。 「行くぞ…」 限は要の腕を引き立ち上がらせる。 「どこに?」 「景の試合にだよ。お前は、自分の【彼女】を応援しないつもりか?」 「…いや、行くよ」 【石動要】は、 《個人戦第三位》 の結果となった。
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