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第4話【許婚】
「お~い、待てよ!」
「うるさい!近付くな!」
次の日、【景の態度】はまた一変して要に対して冷たくなった。
要の父親、『石動レツ』は、自分の父親の『兄弟子』で、
要と自分は親同士が決めた『許婚』であるらしい。
「もしかして、あの事に怒ってんのか?」
景に追いついた要が聞いた。
「あの事って何よ?」
「俺ら二人が【許婚】ってことだよ」
「別に怒って無いわよ!」
「怒ってんじゃねぇか」
「だから、怒って無いってば!」
そう言って、景は早足で歩き出す。
「ちょっと!待てって!」
要も急いで追いかける。
「ついて来ないでよ!」
景はおもわず怒鳴る。
「ついてくんなって、言われてもな。学校同じじゃねぇか。方向も一緒だろ!」
「距離をおいて歩いてよ!」
「だから、何で怒ってんだ?」
「怒って無いってば!」
二人は学校に向かった。
彼女は、本当に怒ってなどいなかった。恥ずかしかっただけだ。
自分の家に突然、男の子が【居候】としてやってきた。
しかも、相手は未来の夫になる。
目をあわせただけで顔が赤くなるのが自分でも分かった。
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