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「なあ、宮地」
「む、なんだ東月」
「言いづらいんだけど、それ」
「珈琲?」
「いくらなんでも甘すぎだと思うんだ」
甘過ぎ注意報!
「別に普通だと思うが、」
「どこが。」
だけど明らかおかしい宮地の珈琲。
色はミルクの入れすぎで白っぽく、角砂糖を8つ入れ、更にガムシロップを2つ。
流石の俺も黙ってはいられなくて、こうして言えば、別に普通だ。と帰ってきた。
「俺のと見比べて何か思わないの?」
「東月の、…苦すぎだろう。ブラックで飲めるやつの気が知れん」
「それ俺の台詞。」
珈琲はブラックで。
香ばしい香りと共に喉を通っていく感覚がたまらないんだ、と続けると、
じっと俺の珈琲を見ていた宮地が顔を上げた。
「東月も砂糖を入れてくれ。…お前と、すると、苦いんだ、」
「え?」
「っ、俺は苦いのは嫌いだ」
ガタン、といきなり席を立ち速足に去って行った宮地を見ていると
店を出る手前で立ち止まり、何か小さく呟いたのは
きっと気のせいじゃないはず。
end
彼の残した白い珈琲は彼のような
くらりとする甘さだった。
おまけ付き\(^o^)/w
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