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 『くだらない。仕事中にそんなつまらない話をしてるのね。よく当たり前な顔して給料もらえるもんだわ。』    英子にしてみれば業務時間内に業務外の話をするなどもってのほかであった。  仕事中は仕事以外の事をする必要が無い。休憩時間は仕事の効率を下げないためにあるのだから、与えられた時間以上に仕事に関わらないお喋りをするなんて英子には考えられない。    『まったく、私が上司だったら即刻クビね。なんて生産性のない!』    英子は資料を探しながら、女子社員のお喋りの内容を思い出し、一人いらいらしていた。    『私がロボットですって!?私が冷え性で不感症ですって!?あの人たちが私の何を知ってるっていうのよ!根拠のない話をして喜ぶなんて、なんて低俗な思考回路をしてるのかしら。』    英子はいつになく冷静さを失っていたが、自分ではまるでそれに気づいていない。  心乱れる。人間たる証。
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