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時はさかのぼって、四年前のある日―……
沙夜の死から、もう5日くらいたっただろうか。
うちは、徳川、松山と共に…沙夜の家の前にお花を持って立っていた。
『お話ししたいことがあるの』
そう沙夜のお母さんから連絡をもらったのは、昨日だった。
インターホンに近付くうちの指が震えている。
沙夜の家族……
どんな想いでいるのだろう。
森岡という人はあの日に逮捕され…
一日で二人もの人間が、家からいなくなってしまったのだ……。
しかも裏に隠された事実は、あまりにも衝撃的なことで――…。
沙夜のお母さんは、どんな顔をして事実を聞いたのだろうか。
そして羽奈ちゃん…。
まだ家族を一人の人間として切り離して考えられる歳じゃない。
あの子にこの残酷すぎる現実は……きっと耐えられない。
考えるだけで…胸が痛む。
―ピンポーン
目をギュッとつぶり、インターホンを押した。
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