あなたの死

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「美夏ちゃんたちが謝ることじゃない。本当に悪いのは、私なのよ…」 そう言って沙夜のお母さんはうちらの手をとり、ソファーに座らせた。 「そう…。あの子はずっと前から、あなた達に打ち明けていたのね…」 沙夜のお母さんが、うちらと向かい側にあるソファーに座る。 「私は、例えば沙夜に何か辛いことがあったら…必ずわかるって思っていたわ。 親である自分になら見抜ける、沙夜は自分に相談してくれるって……思ってた」 「……」 「でも、あの子は私に何も言わなかった…。 産まれたときから一緒に生きてきて、一番身近な存在である家族には、自分の相談をするのが当たり前っていうのが私の考えだったの。私は実際に、小さいときからそうやって生きてきたし…。 けど…それを壊すものって…なんなのかしら……」 うちらを見るわけでもなく、沙夜のお母さんは…手に持っているマグカップを見つめながら話し続けた。 そんな沙夜のお母さんを、うちは見つめる。 …お葬式のときとは、大違いの姿。 まだ数日しかたっていないのに、かなり痩せてしまっていて…顔もかなり疲れている……。 沙夜のお母さんにとって、この数日はどんなに長かったのだろうか…。
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