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チャンチャラリラ~
ファンシーな着信音に、私の脳はゆっくりと目覚める。
おかしいな、目覚ましはけたたましいベル音だった気が。
ぼんやりする頭で携帯を手に取れば、親友の名がディスプレイに表示されていた。
着信
坂野あずみ
090XXXXXXXX
「! も、もしゅもしっ!」
慌てて電話に出る。
焦りすぎて噛んでしまった、情けない。
向こうにも伝わったのだろう、小さく笑われてしまった。
『クスッ、おはようイヨちゃん、朝早くにごめんね?』
「う、ううん! もうしっかり起きてたから!」
着信音がしたときは、まだ布団に入っていたかった筈なのだけれど、
親友のあずの声で、脳はすっかり覚醒してしまった。
『今日、朝練あるよね?』
「う、うんそうだけど…」
実はこの時点で、あれ?となにか違和感を感じていた。
だけどその正体が掴めぬまま、布団から起き上がる。
『わたし昨日間違って、道場の鍵持って帰っちゃってたの… だから一緒に学校いこうかな、って思って』
「ははぁ、なるほど」
剣道部のマネージャーであるあずは、毎日道場の鍵を閉める決まりがある。
しかし朝の鍵開けは部長が担当で、彼女は関係ない。
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