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私立桜蘭学院は、
一に家柄 二にお金
財あるものは暇を持ち
かくしてホスト部とは、暇を持て余す高等部美麗男子集団(例外有り)が
同じく暇な女子をもてなしうるおわす
華麗なる遊戯であった。
が
そんなことには1mmも関係なく過ごしていた一獅我 巧槻は、今日もこれといって何事もなく終わる筈だった。
「…え?君らは……」
「「巧槻~、ちょっと付き合ってよ」」
「えと、すいません。一緒に来てもらえませんか?」
放課後、クラスメイトの常陸院兄弟と藤岡ハルヒが巧槻に声を掛けなければ。
「光と馨、ハルヒさんだったよね?どうしたんだ?」
いきなりの3人の発言の意図が全く分からなくて、聞き返した。
3人と巧槻はクラスが同じであるだけで、他にこれといった接点はない。
それなのに、何故そんなことを言われるのか。
「ちょっと自分達に着いて来てほしいんです」
「…理由を聞いてもいいかい?」
それに答えたのは光と馨。
「僕らだって詳しくは知らないよ」
「そーそー。鏡夜先輩に連れて来いって言われたんだ」
「!!!!」
黙って聞いていた巧槻だが、鏡夜という名を聞いたとたん過剰な反応を示した。
「わ、悪いが一緒には行けない。失礼する」
踵を返し、教室を出ようとすると
ガシッ
両脇から伸びてきた腕に肩を掴まれた。
「「『逃げられそうになったら力ずくで』…だってさ」」
「おいおい…勘弁してくれ…」
「ほんとすいません…」
溜め息を吐いて諦めたように双子に引きずられていく巧槻。
その時、ハルヒだけは本当に申し訳なさそうな顔をしていたので、この人だけは許そうと決めた巧槻であった。
そして冒頭に戻る。
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