二人の紡ぐ物語~セイルとユリアの冒険 第2章

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≪新たなる交わり≫ 激戦の二日目が夜に為った。  セイルの想像は当たっていた。 異常に成長している最もデカく強いヘイトスポットは、明日に浄化を試みる事になって。 その周囲の森のモンスター討伐と聖なる結界化をした一日だった。 斡旋所は、夕方前から次々と戻ってくるチーム達と、その情報を聞きたがって待っていた棄権組が話し合って煩い喧騒状態である。 夕方、外が真っ暗に成る頃には、もうワイワイガヤガヤとカウンター前の広間が冒険者だらけとなり。 何時ものこの頃の斡旋所ではなかった。 噂のネタは、異常にモンスターを駆逐した5チームの事。 最初に話題と為ったのは、イクシオとカミーラのチームの活躍だ。 怪我をしたエルキュールなどの代わりに気合いを吐いたのは、協力で加わったマガルやダッカ達。 怪我した冒険者達を助けながらモンスターを掃討しているのが印象に残ったのだろう。 その次に話題に上がったのは、ステュアート達のチームだ。  異色な武器を扱うセシルを始めとして、モンスターの討伐を飛び入りで受けて一線級で活躍したのが印象に残ったのだと思われる。 その次が、セイル達。 光の精霊の助力を得たユリアの魔法の強力さには、聖騎士なども唖然とさせる程。 後から追い付き加勢した冒険者達は、クラークを筆頭にセイルとアンソニーの素早い戦い振りに目を奪われた。 特に、セイルが少しだけ遣った魔法剣を見た者は、驚愕の一言である。 そして、世界に名を馳せるチーム15指には入るポリア達とサーウェルス達二チームは、語り草に成りそうな褒め称え様で話題に上っている。 倒したモンスターだけでも300は超えるし、ヘイトスポットを15箇所は浄化して回った。 その様子を所々で見られているから、騒がれるのも当然だった。 最初に斡旋所へ戻って来たのは、セイル達。 ユリアが陽が暮れる頃にはヘバっていたし、アンソニーも無理して両手を干からびさせてしまった。 明日からは護衛も在るから早めに戻ったのである。 セイルに背負われて戻ったユリアは、直ぐにベットで懇々と眠りに堕ちてしまった。 セイルは、クラークと二人で煩く絡まれるのを嫌がって食事に出る。 ユリアに何か持ち帰りの出来る物を買う気で在った。
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