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先輩は珍しく、物憂いげな表情でため息をついた。
あ、そっか。
黒夜真月さんは確か、瑠音先輩の――――
とくん……っ。
「ッ――……?」
あれ……?
今の、何だろ……。
心臓が……跳ねた?
何だこれ――……何か、胸がむかむかする。
食べすぎたのかな……。
それよりも、新東京市で世界大会ってもしかして。
「もしかしてその大会、リレー戦でしたっけ?」
「えぇ、そうよ。世界でも数回しか行われないリレー戦。見るのが楽しみよね」
《Space Sonic》短距離走には、リレー競技というものが存在する。
4人程度の人数で1チームを作り、バトンをリレーしてゴールを目指すチーム戦だ。
世界大会では年に数回しか行われない競技で、《Space Sonic》短距離走唯一のチーム戦なのも相まってか、非常に人気が高い種目である。
「昨日のスポーツニュース、見たかしら?」
ふと、瑠音先輩が楽しそうに顔を近づけてきた。
――……!?
ち、近っ……!!
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