第1章

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「み、見てないです……」 ちょっとドキドキしながら答えると、先輩は少し笑みを濃くして、 「破夜舞迅、神崎橙弥、音無黒廻、そして黒夜真月がチームを組むかもしれないそうよ」 「えっ、本当ですか!?」 顔の近さなど忘れ、僕は叫んでしまった。 「本当よ。まだ変わるかも知れないらしいけれど、それを生で見れるなら、先輩に会いに行くのも悪くないのよね」 とくん……っ え……また……? 「先輩……真月さんに会いたいんですか?」 は? 何言ってるんだ、僕。 そんなこと……聞きたかったんだっけ? 僕の意思じゃない質問に、瑠音先輩は眉をひそめた。 「どうしたの、礼……?」 覗き込むように、僕の目を真っすぐに見つめてくる先輩。 その瞳にあるのは『不審』の二文字。 僕は今、自分がどんな表情をしているのか解らなかった。 心臓が跳ねてからというもの、まるで何かに追い掛けられるような、心に大きな壁が出来上がってしまったかのような。 得体の知れない何かに、追い詰められているかのような感情に囚われていた。 外はとても暑いのに、冷や汗が吹き出して、呼吸がどんどん浅くなってくる。 ――……何だよ、これ。 すごく……苦しいっ……!!
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