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次の日も、その次の日も。
礼は、部室に顔を見せなかった。
夏休みだからといって、飛行部に休日はほとんどない。
あるのはお盆休みと、数回の日曜日だけ。
礼も私も、夏休みは一度も休まなかったのに。
礼は、もう3日も部活にやって来なかった。
そして、今日でもう4日目。
私は残暑のこもる部室に1人、自分の席へ座っていた。
「……」
本当に……何なのよ。
真月先輩の話をした途端、礼は妙なことを言って、そのまま立ち去ってしまった。
本当に、わけが解らない。
私はただ、真月先輩の話をしただけなのに。
まだ、会いに行くだなんて決めてもいないのに。
――……。
でも、あの時の礼は……泣いていた。
目に大粒の涙を浮かべて、必死に何かを堪えているように見えた。
――……な、何よ!!
私が真月先輩に会いに行くのがそんなに気に食わないって言うの!?
私がどこで誰に会おうと、そんなものは私の勝手じゃないのっ!!
本当に……何なのよ……っ!?
「ずいぶんと、ご立腹みたいだね?」
「ッ!!」
突然聞こえた声に、私ははっとなって入口を見た。
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