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「行くよ、謠羽くん。精々、僕を失望させないことだ」
「ホザかないでくれるかしら。――……私はもう、あなたの知ってる謠羽瑠音じゃない」
「行くわよ、黒夜真月」
たった2人だけの、墜走。
穢れた黒い天使と。
聖なる右手の熾天使。
私に走りを教えてくれた彼との戦い。
彩鏡学園飛行部元部長。
黒夜真月。
別名。
破夜舞迅、神崎橙弥、音無黒廻の3人と共に、世界の頂点に君臨する、《死天》の一角。
相手に取って、不足はない。
怯える要素はどこにもない。
私だって。
彩鏡学園飛行部部長。
謠羽瑠音。
別名。
破夜舞迅、神崎橙弥、音無黒廻の3人を下し、墜走においては世界の頂点に立つ女なのだから。
「――……!!」
風が、爆発した。
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