2日目

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まなが家について、近くにいられない僕は1人、屋根の上で時間をつぶす。 退屈…。 そう思ってたら、ベランダに人影が…まなのお父さんだ…。 しばらく、じっと夜空を眺めてたお父さんはポケットから何か取り出した。 ハーモニカだ。 そしてお父さんは、おもむろにそれを吹きだした。 あ!このメロディ…初めてこっちに来て、まながキーボードで弾いてたのと一緒だ…。 「よく聞かせてあげてたわよね、それ。」 まなのお母さん…。 なんだか寂しそうな表情…。 「…子守唄がわりに吹いたつもりが、いつまでもねだって、なかなか寝てくれなかったんだよな。」 ?まなの事かな? 「あの娘、音楽の道進みたいみたい。」 「……そんなに簡単な事じゃないよ」 「でも、あなた。私たち、親としてちゃんと見守ってあげなきゃ。」 「親か…あの娘は、親と認めてくれてるんだろうか…。」 2人はそのまま、黙ってた。 まな、君の両親は君を理解しようとなやんでるよ。 どうして君は、両親から離れようとしているの? 愛されてる 僕はまなは愛されてると思うよ。 だって、さっきお父さんが吹いてたハーモニカ、すっごく優しい感じがした。 君だって、そのメロディ弾いてたじゃない?それなのに、なんであんなに反発してるの? 両親2人が、ベランダから姿を消した頃、Mが戻ってきた。 M「浮かない顔だな。どうした?」 X「なんでもないよ、それよりまなは?」 M「寝たよ。」 X「そっか。明日、3日目だね」 M「あ?あん、うん」 X「僕、まだ、まなと唄いたいな」 M「うん」 X「もっと、もっと、もっと…どうして、僕は死に神なんだろう…。」 M「…」 守ってあげたい。 まなを。 これから起こるだろう死へのプロローグから。 でも、僕は死に神だから禁止されてる。 見送る事は出来ても、守る事は許されない。 人間だったら、もし僕が人間だったら助けてあげられるの? 彼女の夢、彼女と両親の溝…彼女の幸せはやっぱり運命って言葉で消されてしまうの? どうしてなの? わかんないよ… 僕はいつしかMにしがみつき泣いてた。 いつものように、背中を摩ってくれるM。 あと3日…。 まな…僕、どうしたらいい?
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