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主人は僕の見つけたナイフを手に取り……
「ずっと店の中で無くしてたやつなんだけど……」
と言ってきた。
がくぅと僕は肩を落とした。寧ろ脱力と言ったほうが早い。
「風属性のナイフ『テンペスタ』だ。」
そう主人は言うと僕の手に戻した。
「何を?」
僕はその行為を理解できないでいた。
「もう価値が無いやつだからな。やるよ。後これも。」
そう言ってもう一本ナイフを渡してくれた。
「属性の無いやつだ。名前は『ヘヴンス』だ。大事に使ってくれ。」
「ありがと。」
僕はそっとバックにナイフを仕舞った。
「これでうちも魔法具屋に晴れてなれるわけだ。」
主人は笑っていた。
僕は軽く一礼すると、店を後にした。
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