第一章 魔法の小国

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主人は僕の見つけたナイフを手に取り…… 「ずっと店の中で無くしてたやつなんだけど……」 と言ってきた。 がくぅと僕は肩を落とした。寧ろ脱力と言ったほうが早い。 「風属性のナイフ『テンペスタ』だ。」 そう主人は言うと僕の手に戻した。 「何を?」 僕はその行為を理解できないでいた。 「もう価値が無いやつだからな。やるよ。後これも。」 そう言ってもう一本ナイフを渡してくれた。 「属性の無いやつだ。名前は『ヘヴンス』だ。大事に使ってくれ。」 「ありがと。」 僕はそっとバックにナイフを仕舞った。 「これでうちも魔法具屋に晴れてなれるわけだ。」 主人は笑っていた。 僕は軽く一礼すると、店を後にした。
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