第二章 騎士任命

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 騎士……魔動革命以前には各国を守備する者として活躍して居たという。 しかし騎士などはもう必要は無くなっていた。 身を護るのも、攻撃をするのも全て魔法の世の中には有効なものでは無くなっていたのだ。 名前だけが虚しく残っていた。騎士よりも宮廷魔導士の方が位は高く、後者は憧れの職業へと変貌を遂げた。  しかし僕は今日、エルコートで騎士になる。 騎士になれば自由に動くことも出来なくなるだろう……肉球とも暫しの別れが来るのだろうか……そんなことを考えていると目頭が熱く……熱く…… なるわけないだろ! 好きなのは確かだけど、それぐらいで泣く奴がいるか…… ちょっと空を仰ぎ見ると微かに空が滲んでいた……。 あ、結局泣いたのか……。 ああ……何か情けなくないか。  僕は滲んだ涙を服の袖で拭いつつ、エルコート城へ向かった。
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