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受付嬢は机の上のベルを鳴らすと、
「しばらくお待ちくださいませ、ゼオ様。係のものが案内いたします。」
にこやかに口を開いた。
するとものの数秒で黒の燕尾服を纏った初老の男性が現れた。
「お待たせいたしました。こちらまでご足労ありがとうございます。私めが控室まで案内いたします。シルバと申します。以後御見知りおきを。」
「僕のためにすいません。宜しくお願いします。」
僕は彼と握手を交わした。
取り敢えず控室に行くことになったが、エルコート城内は意外に広くたどり着くのに時間がかかってしまった。
控室
「では、こちらの服にお着替えください。それから謁見になりますので。後でお呼びに参ります。」
シルバはそういうと部屋を後にした。
僕はお礼を言うと、早速着替えることにした。
四つの大国に囲まれた小国……エルコート。騎士制度が廃止されてもなお、騎士を求める国。
僕が騎士になることは偶然ではなく必然なのだ。
それがこの国を、世界を救うための鍵になる。
僕は最後に遣わされた者なのだから。
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