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翌日―
「…ん……」
あれから、少年は少女の屋敷に運ばれて救われた。
少年はゆっくりと目を覚ました。最初に目に入ったものは天蓋だった。それから自然と身体を起こそうとしたら全身に激痛が走った。特に背中だ。
「ぐっ…!」
思わず苦痛の声を漏らしてしまう。激痛のため身体を起こすのを諦めベッドに身体を預ける。
それから状況を確認するために首を動かした。
少年から右側、カーテンが見えた。開ければ窓があるのだろうと分かる。
そして左側、予想外のものに目を見開き驚いた。
少年の傍に綺麗なブロンドの髪の少女がいたからだ。可愛らしい印象だ。無防備に静かに寝息をたてて気持ちよさそうに眠っている。
少年は暫く見入っていたが、はっと我にかえり周囲の観察を再開した。
眠っている少女の後ろに扉が見える。
その他には今の自分には分からなかった。
天蓋を見上げながら、昨夜何が起きたのか思いだそうとした。すると、少しずつ思い出された。それと同時に過去の、今までの辛い過去が蘇り胸が様々な感情に縛られた。
無意識に目尻から涙が溢れる。声を殺しながら泣く。
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