声、声、声。

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
好きだな、 好きだな。 あなたの声。 私のすべてを丸め込む。 耳から侵入されれば最後。 会いたくて会いたくて。 それだけでいっぱいになる。 その声で名前を呼ばれれば最後。 嬉しくて淋しくて切なくて。 どうしようもなく泣きたくなる。   あなたがいればいい。 会えなくても、 気持ち伝わらなくても、 ここにいて囁いてくれればいい。 それ以上は、 我儘言ったりしないから、 お願い。 夜、 眠りに着く前に。 耳元に、 おやすみの言葉を落としてね。 あなたの声が、 どんな子守歌より 安心できて、 ぐっすり眠れるから。   『――――――おやすみ』
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!