『 03「俺、不機嫌になる。」』

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   それが、まただ。 両腕いっぱいの缶ジュースを抱え、最後のひとつを取り出した。 咄嗟に背を向け走り出す瞬間、缶ジュースをひとつ落っことした。  「おい!」  俺は思わず走り出して自動販売機前に転がるスプライトを掴み、駆ける小さなYシャツの背を追いかけた。 良い走りだと言っても、有能な陸上部短距離走手の俺の方が随分と速いに決まっている。 敵が校舎の曲がり角を曲がった時、距離は1メートル程に縮まっていた。 すぐさま同じ風に校舎を曲がって、見た。  
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