6人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
俺は今、母さんの好きだった公園にいる。
正確には、この空が、好きだったんだけど。
やばい、泣けてきた。
深夜、誰もいない公園で俺は泣いた、死んだ母親を思いながら。
俺の名前は、秋月 棗(あきづき なつめ)、高校一年生。
俺はただ一人、嗚咽を漏らしながら、泣いた。
人に見られたら、大変だな。
でも、泣いていれば、あのちっこい母親が帰ってくると信じて。
分かってる、そんなことはありえないと。
でも、そんなことはありえないはありえないと分かっていても、そう信じたい。
最初のコメントを投稿しよう!