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海岸沿いに、国がある。
それはとても小さな国で。
見渡す限り広がるこの街並み――東から港に市場。続けて扇状に開きながら市街地が。円形の都市を横断するように一本の運河を渡し、挟むように大通りがあって。それを西へ歩けば、街の反対にある貧民街へ出た。そうした街並みを囲うように、内陸部へ向け外壁が建てられる。門より外へと出れば、緑豊かな農場が広がり、平地は山脈にて仕切られていた。
結局、この十数キロもない領土が、この国の全てだった。
田舎である。
しかし、活気のある賑やかな、小さな国。
それがここ、
――パンノニア王国。
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