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「HAHAHAHAHA!!!!」
ごきげんよう。皆のもの。元気にしていたかな?
そうか。元気にしていたか。それは良かった。そう言ってくれると私が毎日努力している甲斐もあるというものだ。
ん? 私を見たのは初めてだと? そうかそうか。私の存在が何者か分からないと。なるほどなるほど。さすが私だ。
ここは都心にある雑踏なビルの屋上だ。眼下に見えるのは、たくさんの人々が流れる姿。見上げれば青く澄み渡った空が私を祝福し、見守ってくれているようだ。
おっと、そんなことはどうでも良いと? いやいや駄目なのだよ。私の正体を知った時、その意味を理解するであろうこのシチュエーションはとても大事なものなのだ。
それでは今回は特別に、本当に特別に、私の正体を君に教えることとしよう。
誰にも言ってはいけないぞ。私の正体を知るということは、名誉でありそしてまた稀有な存在になれるということなのだ。その辺りを自覚し、私の正体、そして私が何者なのかということは絶対に明かさないで欲しい。約束できるだろうか?
そうかそうか。約束できるか。ならば私の正体を明かすこととしよう。
良いか? 確認するぞ。私の正体は絶対に明かしてはいけないぞ。それでは言うぞ。
私の正体は、皆があこがれているヒーローというものだ。
ん? 何? 意味が分からないと? 頭のねじが外れているのではないかと? 厨二病なのかと? それも仕方ない。私は英雄、ヒーローなのだ。ヒーローというものは人前に絶対に姿を現すものではないからな。見たことが無いのも仕方ないことだ。そして、信じられないのも仕方ないことなのだ。
その辺りを私はよく分かっている、だから理解できないことを恥じる必要は無い。
「キャーーーー!!」
おっといかん。この平和を荒らす不届き物が現れたらしいな。ならば今回は特別だ。私のヒーローとしての活躍をその目に焼き付けると良い。
「とうっ!!」
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