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「バウバウ!!」
「うえぇぇぇん!!」
おっと、何処かで犬がほえている。それと幼い少女の鳴き声が聞こえてくるではないか。
ここはヒーローの出番だ。ヒーローとは常に子供に優しくがモットーであり、弱きものに手を差し伸べなければならないからな。
同時に弱きものを攻撃するものには制裁を与えなければならないな。では行くとしよう。今度こそは私の勇姿を君たちに見せることが出来るだろう。楽しみに待っていてくれ。
おう。中々巨大な犬が人形を持った少女に向かってほえているな。
あの犬は凶暴なのだな。飼い主のしつけがなっていないのだろうか。だれかれ構わず吼えるという癖があるらしいな。
ん? 何故そんな事が分かるのかと? それは決まっておろう。私がヒーローであるからだ。ヒーローは動物の心が分かるのだ。
ん? そんなわけ無いだろうと? 動物の心の声など聞こえるわけ無いだろうと? ハッハッハ。私を誰だと思っている。皆を守るヒーローなのだぞ。ヒーローならこのぐらいのことを分かって当然なのだ。ハッハッハ。
「うびゃぁぁぁぁ!!」
おっといかん。今度こそ私の勇姿を君達に見せなければならないな。どうやら子供の叫びを聞いて大人もここに集まってしまっているようだし、ヒーローの掟『子供にのみその姿を見せる』に従い、これ以上大人が集まらないうちにこの状況を対処するとしようではないか。
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