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「それは、少しみんなのことを思い出しただけよ」
アロアは寂しい気持ちをごまかそうとした。けれど、ジッと見詰める白熊の王子様に、嘘がつけなかった。
「アシェラッド様。本当は父と母が恋しいの。でも、お城の暮らしは楽しいのよ」
「ええ、分かっています。アロアさん、家に帰ってきていいですよ」
白熊の王子様はアロアの手を取って優しい声で言った。
「ほんとうに?アシェラッド様」
アロアの表情が、パアッと明るくなった。
「そのかわり、ひとつだけ約束してほしいんだ」
「はい、約束はどんな事なの?」
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