白熊の王子様

2/7
前へ
/10ページ
次へ
   秋も終わり、木枯らし吹く季節。    貧しい木こりの一家が森の中に住んでいました。    「お父さん、今日は子供達に食べさせることができたけれど、明日には、パンも底をつきそうよ」   「母さん、困ったなぁ。こう嵐が続いちゃ、魚も獣も捕りに行けない」      大勢の子供達は、みんな可愛い子ばかり。中でも末娘の『アロア』はとびきりの美少女だった。  「父さん、今日は村に行って、ゲイルさんちの手伝いで疲れたでしょう。肩を揉んであげるわ」    「アロア、ありがとうよ。ああ、気持ちがいいなぁ」     アロアは気立ての良い、おとなしい子だった。     
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加