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夜更け、誰かが部屋に入って来た気配で、アロアは目を覚ました。
誰かしら?暗くて解らないわ。
その人は、そっと隣のベッドに入って眠り、そして明るくならない内に起きて、部屋を出て行った。
「誰なの?気にしてもしょうがないのね」
次の夜更けも、その人はやって来ました。その次の晩も――――毎晩、やって来て隣で眠るのです。
「どんな人かしら?気になるわ」
アシェラッド様に聞いてみようかな?駄目よ。向こうが言わないのに、聞いたり出来ないわ。
「はしたない事を考えちゃ、いけないわね」
半年が経って、アロアは、二人だけの暮らしが寂しくなった。
「アロアさん、最近、何だか元気がないですね。私にどうしてなのか言って下さい」
君はおとなしい娘だから、私が聞かなければ、何も言ってくれないだろう?いつも、寂しそうにしているのは……。
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