──それは…ある日──

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季節は春。 「んッ。ん~。」 カーテンの隙間から差し込む日差しで俺は目が覚めた。 「ふわぁ~。…朝か。」 時刻は六時前である。 少し早いが俺は起きることにした。 「? そういえばなんか変な夢を見たような… まぁいいか」 一階に降り、顔を洗って朝食の準備をし始めた。 俺には妹がいるが奴は朝がかなり弱い。 この前は半分寝ながらながら料理をしていやがった。 全く器用なことしやがるが危ないから朝は俺がやることにした。 「にしても…あいつ起きてこないな…。ったく。」 二階にあがり妹の部屋の前に来た。 コンコン。 「おーい。起きてるか~。」 シーン…… 返事がない。 仕方なく部屋にはいると奴はベットで「スースー」と寝息を立てて寝ていやがった。 ピンクのパジャマ姿の妹は抱き枕を抱え幸せそうな寝顔で爆睡中であった。 「ほら起きろ!朝だぞ!」 「んん~。」 「ほら!お前も今日から学校だろ!」 「んっん~ん。」 さっきの幸せそうな寝顔とは真逆に顔を歪めそっぽを向いた コノヤロウ…。 仕方なく俺は最終手段を使う。 使いたくは無いがな 「起きるなら一緒に風呂入ってやるぞ…。」 ガバッ!!! 「本当に!?」 「いや、嘘だ。」爽やかな朝にふさわしい爽やかな笑顔で俺は答える。 「………。」 「………。」 俺の笑顔VS妹の無表情。 ドサッ…。 そして、何事もなかったようにまたベッドに倒れこむ妹。 そう俺の笑顔が負けたのだ。 「コラコラ!!起きたんだから起きろ!」 「いやだ。」 「いやだ。じゃなくて。」 「ふん…。」 「………」 「………」 「だぁ~。わかったよ!!入ればいいんだな!」 「うん!!」 真っ直ぐ伸びたセミロングの綺麗な髪をふわりとゆらす。 ピンクのパジャマが若干子供っぽさみせているが一ヶ所だけ子供っぽさを吹っ飛ばすものがあるのだ。 胸。 Cカップもある胸だ。 中学生の子供っぽいこいつの唯一大人びている部分だ。 こいつは俺の妹の陽那(ヒナ)。 かわいい奴だが少しは兄離れしてほしい。 俺にベタベタしすぎるから困るのだ。 まぁ甘やかしてる俺も悪いのだがな。
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