プロローグ

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ザァ―――――ッ 今日も雨か―… 刺(トゲ)のような針のようなその雨は地面に座っている私に容赦(ヨウシャ)なく頭から水の刃を向けてくる 人通りの少ない裏路地。 …たまに人が通っても誰も私に手を差し伸べることはない 差し伸べる…? 違う 差し伸べなどしない。 ここを通る男は私に暴言を吐く じじいは私を蹴る、殴る 若い男は酒のビンを私に投げつける そして、そんな傷だらけの私をみんな哀れな目で見ては、馬鹿にするのだ。 この裏路地はそんな濁りきった薄暗い場所 そんな場所に― パシャっ 雨の中を走り、私の前を横切って行く1人の…男 かと思ったらいきなり振り返り、私の真ん前まで来た ―嫌な予感‥ 金髪で、女っぽいが私には男という気しかしなかった そしてそいつは悲しそうな顔で私に話かけたのだ 「何してるの…?」 「とりあえず、一緒においで」 私の手首を掴み立たせようとする… あ… コイツ…… アリス学園の教師だ…
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