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    目覚ましが鳴る。 寝たままの状態で腕を伸ばし、頭の上や横へ無造作にぶんぶんと振ると目覚ましにぶつかった。 吹き飛んだ目覚ましを探り当てアラームを止めた。 止めた目覚ましを引っ込め布団の中で時間を確認する。 十二月二十一日十二時。 二十四日、イヴの三日前である。 ちなみに俺の本日の睡眠時間は四時間。 俺にしてはよく寝た方だろう。 「 ちょ、ちょっと!  まだ寝ていたんですかー? 」 「 うおっ!? 」 途端にシーツが被っていた無くなる。 驚きと辺りの寒さに感覚が覚醒する。 気付くと引ったくられていた。 「 寒い寒い……。  か、返してくれ! 」 俺はシーツを取り返し、餡が詰まった大福のように包まるとその情けない格好にまふゆは深いため息をついた。 「 クソ、後もう少しで直木賞の授賞式だったのに…… 」 「 直木賞? 」 まふゆの目が点になる。 「 夢の中の話だよ…… 」 書く小説が即書籍化し、ことごとくバカ売れするという世間で一大ブームを巻き起こした結果印税やメディアの露出により人気と共に裕福な生活を営んでいた。 夢の中の俺は自由三昧な日々で一等地の土地に豪邸を建て優雅に過ごしていた。 そして俺の本当の夢である直木賞の授賞式が行われ授与される寸前で目が覚めてしまったのだ。
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