序章

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 この世界では有り得ないことが起きるとそれは、神の悪戯と啓示されるのだ。 いつの時代だってそうだった。 だが、今となってはそれを神の悪戯として考えなくなった。 それは、人間の文明の進化と理論的な考え方が深く絡み合っているからだろう。  とても奇妙で仕方ないのだが。  この国では人間が36人一斉に死亡した事件が起こった。 それも全員が首を切断された状態で、死んでいた。 聞くだけで吐き気がしそうなほど、無残だ。  これを世間では「血の日曜日事件」と呼ばれている。  どう見てもおかしいそれは事故というより悪質な殺人事件としか判断できない。  殺人事件となると、やはりそれに対する犯人がいるわけで証拠もしばらくは出なかったが最近になってから出るようになった。  ただ、その証拠というものが確定的でないのに対して警察側がとった行動はあまりにも不適切に見えた。 それがわかるのは容疑者に仕立てあげられたその男にしか、わからない。 一般人にはその真相を伝えてないのだ。
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