第二章 出会い

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 同じようにシャロンは言った。 「私にも条件がある」 「…なんだ」 「それはあなたが明日ここに居たら分かる」 条件があると言っておきながら条件の内容を言わないことに疑問を持ったフェンリルだが、それについて答える気はなかった。 「なら明日まで持っていようか」 力を抜くように息を吐く。 少し嘲笑気味の一番得意なフェンリルの表情。  つまり、今の言葉はここで居よう、と言っているのと同じことなのだ。 それにシャロンはすぐに分かった。 「私はシャロン。シャロン=ミケード」  名前はフェンリルにはなかった。 いや、記憶がなかったから忘れているの方が正しいだろう。 「…名前…はない」 何も聞いていないのにシャロンにそれを言ったのは、名前を訊かれるというのが嫌だったからなのか。 それはシャロンにも分かっていた。 そして、シャロンも同様に 「じゃあ、私が勝手に付けていい?」 こうして、フェンリルとシャロン。 成り行きの共同生活が始まろうとしていた。 .
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