第三章 変わる

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 目が覚めたのは体の節々の痛みと伴ってからだった。 だからといって目覚めが悪い訳ではない。 弱肉強食の獣の世界のように、刹那の隙が自分の命を左右するのがフェンリルにも適用されているからだろう。  そして何より、周りの光景がいつもと違っている。 日常的な生活感が漂う普通の部屋。 隣には、可愛らしい格好で眠っている、女。 目が覚めたのが日の出の真っ只中ということもあり、普通ならこの女は起きないだろ。 そうフェンリルは思ったので無理にその女を起こすことなく、ただ時間を潰すだけだった。  そんなことが出来るのは、僅かばかりの安心感がフェンリルに芽生えたからなのかもしれない。
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