一章:魔界の王子様

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「…………あ!」 振り下ろした拳はネギの顔の真横に深く突き刺さった。 「僕にネギを殺す理由なんかないよ。あくまで手合わせだからね。」 そう言って拳をゆっくりと引き抜いた。 「アベアット。」 ゼノムの鎧が解除されパクティオーカードに戻った。 「ふっ…坊やに勝つとはな……。いいだろう。あまり時間は無いが稽古をつけてやろう。今日から私の事をマスターと呼べ。」 遠くから見ていたマスターが戦い終わった僕達の元に歩み寄って来た。 「はい。マスター!よろしくお願いします!」 「よし、いい返事だ。じゃあ…早速始めるぞ。まずは…闇の魔法辺りから始めるか…。」 「闇の魔法…ですか?」 「あぁ。さっき坊やが使っていた魔法だ。簡単に言えば魔法を取り込む魔法だ。習得にはかなり時間が掛かるが…まぁ、時間が無いなりに頑張ればいいさ。ちなみに決定戦はいつなんだ?」 マスターが修行の準備をしながら聞いてきた。 「この世界の時間にして明後日の朝に開幕です。」 「フッ…貴様が奇跡を起こして闇の魔法を完成させるか。時間切れで終了か…やってみようじゃないか!早速取り掛かるからこっちに来い!」 マスターが意気揚々としている。 「任せて下さい!」 こうして僕の特訓が始まった。
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