一章:魔界の王子様

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扉をくぐると図書館のような場所に出た。 「着いたね。」 「そうですね。さぁ、学園の学園長室まで急ぎましょう。あまり時間がありません。」 ウルスが僕を急かす。 「急ぎたいけど僕は学園長室の場所分からないよ?」 「大丈夫です。私が覚えていますから。さぁ、走るのでちゃんと付いて来て下さいよ。」 「オッケー!任せて!」 そう言うとウルスは走り出した。 は、早い。 置いて行かれないようにしなきゃ… 僕もウルスを追うようにして走り出した。 ーーー学園長室ーーー 「ま、間に合った…」 「たしかに。ギリギリですね…ゼロ様。服装の方は大丈夫ですか?」 「バッチリだよ。」 そう言って一通り服装を直した。 「それでは…」 コンコンッ ウルスが学園長室のドアをノックすると 「……どうぞ。」 しばらくしてそう言われた。 「失礼します。」 「失礼します。」 ウルスが先に学園長室に入っていった。 それに続くようにして僕も続く。 学園長室の中はとても広く、いかにも偉い人の部屋という感じがした。 「ふぉっふぉっふぉっ…よく来てくれたな…ウルス君…ゼロ君…。」 「お久しぶりです。学園長。」 ウルスが軽く会釈をした。 「ふぉっふぉっ、君は変わっておらんのぉ…」 学園長先生がヒゲを撫でながらウルスに言った。 「いえいえ。学園長もお変わりがないようで…」 「そして…君が……奴の息子のゼロ君じゃな?」 学園長が僕に視線を向ける。 「はじめまして。フォートレス・D・ゼロです。」 「ふぉっふぉっふぉっ…奴とは違って随分と礼儀正しいのぉ…。」 学園長先生が僕の肩をポンポンと叩いた。 「さて……と本題に入ろうかのう…手紙は拝見させてもらったぞ。」 そう言って椅子に座り机の引き出しから手紙をだした。
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