一章:魔界の王子様

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「解放・固定![千の雷]!!!掌握!」 バチバチと破裂音を立てネギの周りを雷が覆いそれをネギが取り込んだ。 雷を取り込んだネギの姿はまさに雷神のようだった。 「すごい…!これがネギの魔法…。」 バキッ! ネギの姿に見取れていると右頬に激しい痛みがはしった。 その痛みを感じると同時に僕は数十メートル先の壁にめり込んだ。 つ、強い…! 「ウルス!チェンジだ!一旦ゼノムと変わるぞ!」 「了解しました。」 そう言うとウルスの鎧が体から剥がれ落ち、その鎧が集まりパクティオーカードになった。 「やっぱり長時間のウルスの使用は無理があったか…。我、契約に従い汝を此処に召還する!死神皇帝ゼノム!」 そう言い手をかざすと魔法陣が表れそこから新しいパクティオーカードが出てきた。 「ゼノム!説明は後でするから今は黙って協力してくれ!」 僕が額にパクティオーカードを当てながら話すとそれに応えるように声が聞こえた。 「問題ないぜ!坊ちゃん!まずは武装化からいくか!」 そう言うとゼノムのパクティオーカードが黒く光るゴツゴツした棘がびっしりと生えた鎧に姿を変え体に装着された。 「ふぅ…こっちの武装の方が体にあってるな。」 手を握ったり開いたりをして感覚をあわせた。 「面白い魔法を使うね!でも…僕には勝てないよ!」 そう言い光のような速さで攻撃をしかけてきた。 「グラビティ・フィールド展開!」 そう言うと鎧の棘から薄紫色の煙が噴出しオーラのような球体が出来あがった。 「くっ!」 ネギは拳のスピードを殺しきれずにオーラの中に拳を突っ込んできた。 「掛かったね。このオーラの中ではどんな物でも過度の重力が加算されるからいくらスピードを上げても無駄だよ。」 オーラの中のネギの拳をしっかりと掴みそのまま投げ飛ばし馬乗りになった。 「そろそろ終わらせてあげるよ……。すべてに終焉をもたらし屍をも焼き尽くす業火よ、我が拳に宿りて敵を討ち滅ぼしたまえ…インフェルノ・ストライク!」 右手の拳に赤黒い炎を纏わせてネギに向けて振り下ろそうと振りかざす。 「くっ!」 ネギが目を瞑った。 さすがサウザウンド・マスターの息子…ウルスの鎧で勝てるはずだったのにゼノムの鎧まで使わせるなんて……。 「ごめんね。ネギ…。」 一気に拳を振り下ろす。 バキン!
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