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菅国家戦略担当大臣は、平成二十一年十一月十九日、児童手当廃止で自治体や企業の負担が軽減された後の対応について、「そのまま軽減でいくのか、その分で、子育てに関することに振り向けるのか」と語っておられる。
第三に、子ども手当の「政策目的」についても、曖昧になってきている。
鳩山内閣総理大臣は、平成二十一年八月の衆議院総選挙期間中は、「少子化対策」である点を強調しておられたが、翌月の訪米時の記者会見では、「教育への投資であると同時に、消費刺激策であり、少子化対策となる」と発言し、景気対策としての意義を示された。
長妻厚生労働大臣は、平成二十一年十月二十日の記者会見において、「今後、子ども手当も含め、貧困率の数値を改善する政策を打ち出したい」との発言をされている。
子ども手当は、「出生率向上を目指した少子化対策」なのか、「低所得家庭向けの家計支援策」なのか、「消費刺激策」なのか、その政策目的が曖昧化している。
この政策目的の曖昧化こそが、所得制限の是非に関する閣内不一致を生み、福島消費者・少子化担当大臣が党首を務める社会民主党が「十八歳まで月一万円を支給し、あまった財源を保育所増設や学童保育所充実にまわすべき」と全く異なる主張をする状況を生む原因であると考える。
また、子ども手当は高額の現金支給であることから、育児に無関係な支出に充当されることも懸念されるほか、例えば赤ちゃんポストなどを悪用した詐欺や、偽装離婚増加の可能性も想定できる。しかし、「モラル・ハザード対策」について議論がなされた形跡すらない。
私が少子化担当大臣を務めた安倍内閣においては、乳幼児期の児童手当加算を行ったが、その実施に当たっては、官房長官が中心となり、財務大臣、厚生労働大臣、少子化担当大臣で構成される関係閣僚会議を立ち上げ、財源の問題を含め様々な論点について議論を行った。
鳩山内閣においては、目玉施策であるにもかかわらず、関係閣僚がそれぞれの考えを自由に述べるだけで、閣内の意思統一がいつまでも図られない。官邸のリーダーシップ欠如には呆れるばかりである。
右の点を踏まえ、次の事項について質問する。
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