亮亀

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    色鮮やかに紅葉で映えとった並木道も雪が降って彩がなくなった 「りょーちゃーんっ」 天然と言うべきなんかただの馬鹿と言うべきなんか アイドルっちゅう職業を忘れて、でっかい声で名前を呼んでくる馬鹿はあいつしかおらん。 「……なんやねん」 声がした方へ振り返って見ると走ってきたんか 息を荒くしとる亀梨がおった 「一緒に帰ろうと思って」 「嫌やわ」 「即答とかひどいよ」 「うっさいわ、ぼけ。ついてくんなや」  「……一緒に帰ってくれたっていーじゃん」 亀梨お得意のあひる口 かわええけど 「………ぶさいく」 そんだけ言うて早足で立ち去る 自分に懐いとる亀梨が可愛くて愛しくてつい、いじめてしもたけど あいつのことやからしゅんとして本気で傷ついとるやろ。  
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