第五章 -クリスマスイブ-

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放課後となった、結局昼休みも俺はヒナノたちと話しはしなかった こんなんでクリスマスパーティーなんて出来るのかよ 「コウ、まだ怒ってるの?」 「・・・・・ヒナノ」 帰ろうと廊下に出た俺に、話しかけて来たヒナノ 深刻な顔をしているのはよくわかった でも 今はあんまり話したくない、俺は無視してヒナノを通り過ぎた 「沙耶香には、何か悲しいことがあるんだと思う」 ヒナノの言葉に、俺は立ち止まった 「悲しいこと?なんか知ってるのか?」 俺は振り向いて訊いた、あんなお気楽な奴に悲しいこととかあるってのが引っ掛かる 「知らない、知らないけど感じるの、あの子も私と同じ眼をしてたから・・・・・」 「ヒナノと同じか、それで同情して仲良くやってんのかよ」 イラつく・・・・・ 「同情、確かにそうかもしれないけど、それだけじゃないわよ」 イラつく・・・・・ 「そんな同情で、友達気取ってんじゃねぇよ」 イラつく・・・・・ 「待ってコウ!」 俺は廊下を走った、振り返らず、前を見つめて 気がつけば校門の前にいた、かなり走ったんだな 息が切れてる 「はぁ~、ついカッとなったけど、ヒナノに対してきつすぎたか・・・・・」 後悔する、俺の人生なんてこんなもんだな 「何やってんだよコウ?」 振り返ると、杉浦が立っていた
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