第五章 -クリスマスイブ-

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「杉浦に説教か、俺も落ちたもんだな」 「なんだよ、心配してんだぞ?」 「あぁ、すまん」 俺は自然と笑みを見せていた、不思議と面白いんだよな、こいつといると 「コウ!」 名前を呼ばれ振り向くと、ヒナノが慌てて走ってきていた 「ヒナノ、お前追いかけてきたのかよ」 「あ、当たり前でしょ!」 ヒナノは下を向くと、息を整えて俺を見た 「コウ、ごめんなさい・・・・・コウも色々あるのに」 「いいよもう、俺が悪かった」 「え?・・・・・」 驚いた表情を見せる、まぁ当たり前か 俺がヒナノたちとこうして話し出したのもつい最近だってのに、自分でもわからないけど・・・・・ 今は、謝って正解だ 「やっぱり変わったわねコウ、今までは玲美ちゃんにしか心を開かなかったのに」 「・・・・・そうか、あの日から・・・・・俺は心を閉ざしてたのか」 俺は呟いていた、ふっと声が漏れてしまったようだ、その言葉が聞こえたのか、ヒナノはいつもみたいに強気な態度で言った 「だからさ、沙耶香に謝って仲良くしなさい」 「それは絶対嫌だ」 俺は即答した、それとこれとは話が別だからだ、死んだって謝るかっての、あんな奴に まぁ~ヒナノには色々世話になってるからな 「ヒナノ、これから生徒会の仕事だろ?」 「え?あ、うん」 「頑張れよ」 俺はそう言うと、すぐに振り返り校門を出た、ヒナノや杉浦がどんな顔してるかはわからなかったけど なんとなく想像出来た、レイに負けないくらいの笑顔を・・・・・ 「あっ、そうだ杉浦・・・・・次にレイって呼んだら殺すぞ💢」 「ヒィィィッ!」 睨みつけた俺の眼に、杉浦は恐怖して叫んでいた やっぱ、面白い奴らだ・・・・・
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