第五章 -クリスマスイブ-

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「おい・・・・・有さッ!」 俺は声をかけようとしたが、有沢はクスッと笑うと腕組みをして言ってきた 「胸触ったことはチャラにしてあげるわ、謝ったらお礼に私のことを名前で呼ばせてあげてもいいわよ」 「誰が謝るかよ!別に名前で呼びたくもないしな」 「本当、頑固ね秋原・・・・・じゃあね」 「お、おいっ!」 呼び止めようとしたが、有沢はそのまま走る去って行った 別に仲良くするつもりはないけど、それほど嫌いでもないかな・・・・・ 「さてと、さっさと帰ってパーティーの準備でもするかな・・・・・」 俺は帰る途中、通るかかった図書室の中を見た、わかってはいたけど 清水が椅子に座り本を読んでいた 「清水、まだ本読んでんのか、もう下校時間だぞ」 「え、あっ、うん・・・・・でもまだ読みたい本がたくさんあるから💦」 慌てた様子で、清水は俺を見た 本当に何冊読めば気が済むんだよまったく 俺は図書室に入ろうとはせず、外で立ったまま話した 「そうか、まぁ頑張れよ」 「あっ、その・・・・・一ついいですか?」 帰ろうとする俺に、清水は本を閉じて立ち上がった 振り返る俺に 清水はとんでもない事実を伝えた 「あのツインテールの子が、秋原君の話してた幽霊の子ですよね?」 「えっ、まぁ幽霊じゃなかったけどな」 「確か名前は、有沢沙耶香ちゃんですよね?」 「だからなんだ?」 一旦俯くと、清水は顔を上げて言った・・・・・ それは、まったく意味がわからない言葉だった 「その、有沢沙耶香って女の子は・・・・・今は意識不明で病院に入院しています」 「えっ・・・・・」 清水の言ってることは、何一つ理解出来なかった・・・・・
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