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「あ、あのね・・・・・私、本当はお兄ちゃんのこと・・・・・」
「えっ・・・・・」
俺は、俺を見るレイの顔をじっと見た
いつもみているレイとは違う、その可愛い瞳の奥に見えるなにかが
俺の身体を縛り付けるかのように、動けなくしていた
「レイ、お前・・・・・」
「お兄ちゃんのこと・・・・・す・・・・・」
「起きた?」
突然現れた有沢、レイはビクッと驚くと、顔を真っ赤にしていた
「あ、ああ・・・・・有沢か」
「有沢かって・・・・・心配してたのにその態度はないでしょ」
相変わらずのふてぶてしい態度、いつもの俺なら怒っていたのだが
今日は、すごくありがたく思えた
「有沢が俺のことを心配してくれたとはな、意外だ」
「悪かったわね、まぁあれだけ凄い蹴りを受けたんだし、心配は普通するわよ」
「・・・・・そっか、ありがとな有沢」
ふと、俺は笑みを浮かべていた、レイ以外ならヒナノたちにしか笑ったことがないのに
なぜなんだ?自分でもよくわからない、あまり深くは考えたくないけど
「有沢といても俺は笑顔になれる、それだけか」
「はぁ?何独り言いってるのよ」
「いや、ありがとな有沢」
俺はもう一度有沢にお礼を言った
「なっ!何二回もお礼言ってるのよ!気持ち悪いわね!」
顔を真っ赤にして怒鳴ってくる、気持ち悪いって・・・・・
さすがにその言い方は酷いだろ!
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