はじまりは雪と桜

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??「あ、御影君」 自分のクラスに入ると真っ先に声をかけて来たのは、清楚な感じが漂う、純和風系の美少女だった。故ノ宮奏(このみやかなで)、故ノ宮神社の娘で巫女でもある彼女はここ附属2年3組の副委員長でもある。腰まである黒髪は思わず見とれるほどだ。 奏「あの、今日は午後の授業には出るの?」 「ああ、音姫姉さんにさっき叱られたからな。サボったりしたら後が恐いよ」 ??「だったらちゃんと授業受けたらいいだけの話ですよ」 ??「おいおい、アタイらも人のこと言えんだろうが」 ??「さりげなく自覚はあったのね、ハァ」 「よう、猪鹿蝶じゃねぇか」 我がクラスの問題児三人娘もやって来た。 初めに声をかけて来たのは猪崎円(いのさきまどか)、みんなのリーダー的存在だ。クラス委員長を任されているくせに問題を起こして故ノ宮さんに迷惑をかけている。女子にしては背が高く、長いポニーテールが特徴的。 自分をアタイと呼んでいたのは、鹿島るり(かしまるり)。名前と反して短髪でボーイッシュな彼女は、金があれば何でも調達する通称“調達屋”だ。暴れることが三度の飯より好きなやつで、俺と何度も手合わせをしている(負けたことないけど) 最後に溜息をついていたのは、蝶野まきえ(ちょうのまきえ)他二人と仲がいいため、よく振り回されているやつ。趣味が情報収集。チビで髪は三編みにして後ろにまとめている。 彼女等の頭文字をとって猪鹿蝶と呼ぶ。 「で、午後は時間割どうなっている」 円「自習ですよ。理科担当の先生が、奥さんが急に産気付いたとさきほど血相を変えてお帰りになったので」 「俺来た意味ねぇじゃん」 るり「はは、まいいじゃねえか。アタイらとだべっていたらどうだ?」 まきえ「そうね、クリパの話でもしましょう」 「あ、そういえばなにやるか決まったのか」 円「いいえ、だれかさんのせいでまだ決まってないのですよ」 「………なんで俺を睨んでいる?」 ??「おまえのせいでまだ決まってない状態なんだよ!」 ??「ま、おまえは当然俺等の仲間だよな!」 「いたのか大小コンビ」 大・小「「人をトイレのレバーみたいに呼ぶな!」」
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