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 卓は、壁にかけてある時計を見遣った。  いつもなら、とっくに帰っている時間なのにアリスが帰ってこない。彼のために作った晩御飯も冷めてしまった。 「遅くなるなら、連絡くらいしろよ」  呟いて、卓は溜め息を吐いた。 「君を幸せにするためにきたんや」  そんなことを言いながら、突然卓の目の前に現れたときと同じように、唐突に去ってしまったのだろうか。
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