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「寒いやんか~。坂下の意地悪~」  布団をまくられた所為で、居候のアリスがぶるっと身震いをした。 「風邪引いたらどないしてくれるねん」 「天使も風邪なんて引くのか?」  卓は「天使」というところを殊更強調し、馬鹿にしたようにアリスを見遣った。  卓は、目の前のこの自称天使が現れた現実を、まだ受け入れられないでいた。  アリスが、目の前に現れた時のことは、良く覚えている。
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