5/16
前へ
/90ページ
次へ
 一瞬なんのことか分からず、卓はその場に固まった。しかし、すぐに思い直す。  新手の勧誘かなにかか? 馬鹿馬鹿しい。  天使と言っておきながら、関西弁だし。全くもって信用出来ない。あやし過ぎる。  そう思って無視したままドアを閉めようとした手を掴まれた。 「ちょっと。おい。君、俺のこと信じてへんのか?」  問いかけられて改めて相手を見遣った。  確かに、自称天使は、全体的に色素が薄くて、全体的な雰囲気は柔らかく、天使と言われても違和感がなさそうな顔立ちをしていた。  だからと言って、いきなり目の前に現れたこの男を天使だなんて、信用出来るはずがない。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1150人が本棚に入れています
本棚に追加