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「生憎、神だの天使だの。そんなものは信じない主義なんだ。なにが目的だ? 金ならないぜ」 「金なんていらん。俺は、君を幸せにするためにきたんや」 「幸せなら、間に合ってるぜ。じゃあ」 「ちょっと、待ってくれ。君は今、本当に幸せなんか?」 「玄関先で、自分のことを天使だと名乗る変な男につかまるくらいには不幸かもな」 「変な男って。失礼やな。俺が天使なんは、ほんまやで」 「ふうん」 「全く信用してないやろ。しゃーないな」
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