叙情的崩壊と月夜

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「大人達にしかれたレールの上を歩かされるだけの人生でいいのか!?それは本当の意味で自分で歩んだ人生と呼べるのか!?答えは否!だから俺は今を生きる!」 真夏の部屋でなどと高らかに雄弁を振るう男が一人。 彼の名は佐倉 要、本作主人公。 そう、つまり俺だ。 スペックは高校二年生17歳、華の帰宅部所属。 「この8月28日!一生に一度しか来ない高校二年生夏休みが終わってしまう直前に!!宿題などという無益な作業をしていていいはずがない!いいはずないんだ!!」 そう、今日は8月28日。 夏休みという甘い誘惑と快楽に満ちた俺のアバンチュールが終焉を迎えようとしている。 ……言い過ぎたことは謝ろう。 夏休み、心踊る恋のエピソードがこの俺に舞い降りる気配はなく、ただ暗澹と惰眠を貪り、享楽(FFXⅢ)に溺れていた。
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