叙情的崩壊と月夜

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さて、一旦宿題を放棄した俺だったが、このうだるような暑さの中を自転車で奔走してまで行きたい場所があるわけでもなく、会いたい彼女がいるわけでもない。 負け組などという罵声はとうの昔に聞き飽きた。 俺はやるべき事から目を背け、既にエンディングを見終わったロールプレイングゲームのレベル上げに手をつけるが、小一時間もしない内に飽き、深い溜め息と共に参考書が散らかった勉強机に再び向かうのであった。 宿題→ゲーム→宿題→漫画→宿題→ゲーム→ゲーム→宿題。 そんな無益なループの中で宿題は一向に進む気配を見せず、時刻は既に午後11時。 昼間熱されたアスファルトが未だ熱を放ち続けてるのか知らんが、日が落ちても暑いままの日本。 なんとかしてくれ民主党。 そして、「今日はもうダメだ」と典型的自堕落人間の台詞を吐きながら、冷たいアイスでも食べたくなったので冷蔵庫を開けてみる。 なにもない。冷蔵庫はすでにカラッポだ。 何故涼しくなるためにクソ暑い思いをしなきゃならんのだと心の中で葛藤しつつも、俺は近所のコンビニに足を運ぶ決意をした。
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